2009年10月8日木曜日

王者の塔/アーティスト・アイデンティティーの再構築

カラフルな積み木を使って王者の塔を作ることにした。

まずは黄色い四角形のブロックを土台にしないことには話が始まらない。

ここで言う黄色い四角形のブロックとは67年製の箱入りの『魂』のことだ。

よく見るとこのブロック、所々に大小様々な傷があって、本棚の隅のアルバムの中で眠るモノクロ写真のように、様々な記憶を鮮明に呼び醒ますような力を秘めている。

次に支えとなる円柱を用意する。

柱一本でも塔は作れるが、一陣の風にも倒れそうでは、どうにも心許ないので、やはり、ここはシッカリとした円柱を四本揃えたい。

『力』と『自由』と『純心』と『知識』を、この塔の柱とすることにした。

それぞれを配置する方位と色にも気を使いたい。

その意味を知らずして失敗した経験を基に、慎重に配置することが、とても重要だ。

ここで先を急がず、一息入れるのも良い案と言える。

ちなみに僕はMTVのサイト でマイケル追悼のマドンナの感動的なスピーチ とジャネットのパフォーマンス を見てひと休みした。

あまりに内容が素晴らしく、興奮した気持ちをクールダウンさせるために、最近一番のお気に入りのJETのロックバラード『Shine On 』のPVも見てふた休み。

ちょっとした道草で、時に目的以上の発見をしてしまうことがある。

お気づきの方もおられるだろうが、このひと休みで、残りのブロックを積み上げるまでもなく、塔は完成したも同然となってしまった(笑)。

けれどそこは他力本願で目的成就とはせずに、あくまで独力でのフィニッシュを目指す。

イメージを決定づける塔の顔とも言うべき傘の帽子を被せる前に、円柱を上から固定する意味合いも併せ持つ天板となるブロックを設置する。

土台は上を、天板は下を支える役目を担うが、土台と天板との大きな違いはもちろん、その安定度にある。

そんなことから、まさに今もっとも大切にしている『覚悟』を天板ブロックとして採用する。こいつがあれば、少々のことで倒壊する心配もない。

さて、いよいよ塔の傘の部分となる帽子を設置する。ここで残念ながら、手持ちのブロックには一番シックリ来そうな円錐のブロックがないことに気づく。

あれこれ悩んだ末、三角のブロックを2つ合わせて傘とすることにした。

どこかで円錐を手に入れるまで、イマイチ格好がつかなくても、ここは『覚悟』を置き台にしながら、『己を信じる心』で作った三角形と『未来への希望』で作った三角形を組み合わせ傘の帽子を作る。

最後に天辺にオマケのお飾りを載せる。ここにはあえてブロックを使わず、何か今の自分らしい『個性』や『主張』を光らせる。これで、ようやく王者の塔の完成だ。

余談になるが、この塔、完成と同時にスグに崩してしまった…。

何故かって?

道草で何気なく見たマドンナのスピーチは、まるで初めてジミーヘンドリックスを聞いた時のようにロックの魂を感じたし、

積み木をしながらiTunesで流していた購入したばかりのJETのセカンドアルバムも09年の栄冠はすべて頂戴したと言わんばかりの傑作だったからだ(←この時は実は『Shine On』を最新アルバムと勘違いして購入してしまったのだが、3rdアルバムの『シャカ・ロック』が最新盤。こちらも名盤)。

こんな時は素晴らしさを讃えて大きな拍手を贈ると同時に拳を強く握りしめなくてはならない。アーティストしての誇りを胸に、その拳を悔しさとともに頭上高く掲げる必要があるのだ。

そしていつの日か、その拳で、頭上の壁となる天井を突き破ることが出来た時こそ、そこに本当の王者の塔がそびえ立つ。

王者の塔とは、完成と同時に崩れ去る宿命を負っているもの。

そして、脆くも崩れ去った積み木に耳を傾ければ聞こえて来るはずだ。

『再構築せよ!!』とシャウトする声が。