2010年4月13日火曜日

太ったブタになるよりも やせたソクラテスになりたい

それは、僕の人生に30年間も、ずっと影のようについてきた言葉だ。

そして30年という時を経て、僕はその言葉がようやく
イギリスの哲学者『ジョン・スチュアート・ミル』の発したものだったことを知った。

僕はこの不思議な言葉の意味をいつか理解出来る日が来ると信じて歩いてきたんだけど、
その『いつか』は想像していたよりずっと後からやって来た。
その長年の謎を解き明かしてくれたのは、とあるテレビ番組だった。

最近、NHKの教育テレビで2つほどハマって見ている番組があって、
一つは坂本龍一さんがナビゲーターの
『スコラ』という音楽史や音楽理論の基礎を学べるような番組。

もう一つが『ハーバード白熱教室』という番組で、
アメリカの名門ハーバード大学で最も人気があるという、
サンデル教授の哲学の講義を解説付きで放送している番組。

全く別のジャンルながら、どちらの番組も難しいテーマをとてもわかりやすく、
とてもワクワクしながら興味を持って学べるって所が共通していて、
僕にはかなり欠乏しているはずの『学ぶ』という意欲を、
有り難いことに随分と刺激してくれている。

そんな感じで、毎週予約機能なんか使いつつ、この2つの番組を楽しみに見始めたのだが、
後者のサンデル教授の哲学の講義の中で、小学6年生の時のクラス目標と、
30年の時を経て、僕は再会した!!

「満足した豚よりも不満足な人間である方が、
 また満足した愚か者よりも不満足なソクラテスである方がよい」
〜ジョン・スチュアート・ミル『功利主義』第二章〜

↑こんなものが小学校の教室の黒板の上に掲げられていた3つのクラス目標の中の一つだったんだから、
なんともまぁ珍しいクラスだったに違いない。

ただ、言葉の意味を知った今も、その言葉の問いかける意味の深さに、
これまで以上に謎が深まってしまったような気分を味わっている。

それでも、まさにその言葉の投げかけのように、
意味を知らずに気ままに過ごしていたこれまでより、
難問と向き合い『考える人』として生きることが出来る今の方が楽しい。

『哲学』なんて聞くと、難しそう!!って感じだけど、
サンデル教授の講義は『ハーバード大史上最も人気の授業』という触込みも頷けるほど明快で面白い。

まぁ、小学生に向かってサンデル教授の講義の内容と、
そう遠くない問いかけをしていた小学校教諭の授業も、
狂気の沙汰のようだったけれど、いまだに再度受けてみたい最高の授業だったねぇ…。

この番組のサンデル教授の授業は「Justice(正義)」というテーマについての講義なのだが、
最終回までに、僕の中にある『正義』の定義が、
果たしてどこまで揺り動かされるのか、楽しみでならない。